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◇ 自動機能のマニュアル化
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活発に泳ぐ魚たちの一瞬を撮影するためには瞬時にシャッターが切れることが必要で、その要素がカメラ内部で行われる AF (オートフォーカス)や AE (自動露出)などの自動機能のマニュアル化です。
自動機能は大変便利な設定ですが、僅かな処理時間を要するため、特に瞬時にシャッターを切りたい場合には極力使わないようにして、マニュアル設定で対応します。 |
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自動機能の中身と項目
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カメラの設定が 「AF」 や 「P」 もしくは 「AUTO」 などになっている場合、シャッターボタンを押してから切れるまでの流れを下図に示しました。自動機能で行われるのは下図のAに並ぶ各項目です。
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AF はオートフォーカスで自動的にピント合わせを行う機能。 |
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AE は自動露出といわれているもので自動的に絞りとシャッタースピードの設定を行う機能。 |
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WB はホワイトバランスで自動的に光の種類に応じて正確な色が出るように設定される機能。 |
AF (オートフォーカス)のマニュアル化
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自動機能の中でシャッターが切れるのを最も遅らせているのは AF(オートフォーカス)で、シャッターボタンを押してから → レンズを動かしピントを合わせ → 切れる、までに時間がかかり過ぎるのが現状です。
魚の撮影でシャッターを切るのが一番多い場面は、動いている魚がフト止まったその一瞬です。AF(オートフォーカス)使用の場合、この一瞬に追従できずシャッターが切れるころには魚は動き出しています。
また AF(オートフォーカス)は岩、海藻、ゴミなどと魚の区別は出来ないため誤認識によるピント合わせが発生し、ピンボケの大きな原因にもなっています。
AF(オートフォーカス)から MF(マニュアルフォーカス)へと設定することで自動機能の処理時間がなくなり、「シャッターボタンを押す ⇒ 切れる」、というシンプルな動作になります。さらに早くする場合には下記の AE:自動露出 も参考にして下さい。
AF ⇒ MF の切り替え設定は、一部のコンパクトカメラ、一眼レフカメラに装備されています。
MF(マニュアルフォーカス)に設定したとき、ピントはどうやって合わせるのか?ということになりますが、このときに必要になるのが、ピントを確認できるファインダーとスムーズなピント合わせの機構です。これについては、ファインダー、マニュアルフォーカスの項をご覧下さい。 |
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AE (自動露出)のマニュアル化
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AF (オートフォーカス)のマニュアル化ほど目に見える処理時間の短縮は見込めませんが、「もう少し何とかしたい・・・」と感じたときに一度試してみる価値があるのが AE (自動露出)のマニュアル化です。
AF (オートフォーカス)をマニュアル設定にしている場合、AE (自動露出)の撮影では、シャッターボタンを押してから → 明るさ測定 → 絞り値決定 → シャッター速度決定 → 切れる、ということになります。
上記のなかで、明るさ測定 → 絞り値決定 と シャッター速度決定 のふたつがマニュアル化できる項目です。
絞り値は F2.4 などと表記されレンズを通過する光の量を制御します。
シャッター速度は 1/125秒 などと表記されます。
絞りとシャッター速度は明るさに応じて常に変化するわけですが、撮影する範囲(水槽の中央から手前など)を決めてしまえばそう大きくは変化しないものです。
AE (自動露出)のマニュアル化は下記の3パターンがあります。
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| シャッター速度 |
絞り値 |
名称 |
A |
固定 (マニュアル設定) |
AE (自動露出)にまかせる | シャッター速度優先 AE |
B |
AE (自動露出)にまかせる | 固定 (マニュアル設定) |
絞り優先 AE |
C |
固定 (マニュアル設定) |
固定 (マニュアル設定) |
マニュアル |
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上記の中で実際に使えるのは、A と C で、B は多くの場合シャッター速度が遅くなりピンボケの原因となってしまいます。A と C の差はほとんど感じられません。
A の設定でのシャッター速度は 1/100秒 以上の設定が手ブレを起こさないで撮影できる下限でしょうか、1/80秒 になると少しつらい感じがします。
C の設定は A の条件をそのまま反映させます。例えば、1/125秒 の設定で被写体に向けてシャッターボタンを半押しした時にカメラの表示窓に F2.8 と表示されたら、シャッタースピードは1/125秒、絞りはF2.8 とマニュアルでそれぞれ入力します。
これまでに撮影した画像はどのような設定で撮っていたんだろう??というのを知りたい方は、こちらのソフト(無料)をご利用下さい。 ⇒ Exif Reader - デジタルカメラデータ解析ツール
AF (オートフォーカス)と AE (自動露出)をマニュアル設定にすることで、シャッターボタンを押す ⇒ 切れる、という動作が自動処理ソフトの計算時間を通さないことで、瞬時にシャッターが切れるメカニカル動作にとても近いものとなります。
絞りとシャッタースピードのマニュアル設定は、一部のコンパクトカメラ、一眼レフカメラに装備されています。 |
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WB (ホワイトバランス)について
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WB (ホワイトバランス)の自動機能は通常 AUTO で表記され、設定されますが、レンズ位置調整やシャッター開閉などのメカニカルな動作の制御には関係せず、ソフトウェアの処理で対応されているのでピンボケとは関係ありません。
WB (ホワイトバランス)は、光源の種類に応じて正しい色が出るように調整してくれる機能ですから、水槽撮影で照明を用いる場合は、先ず最初に設定する項目となります。
WB (ホワイトバランス)の設定は AUTO 以外にいくつか用意されており、その中から光源に合うものを選択します。一般的にアイコンで表示されていますが、色温度(K:ケルビン)で表示する機種もあります。
光源に対する WB (ホワイトバランス)設定の変化を下図に示します。アイコンと色温度の相対はおおまかのものであり、アイコンの形も含めて使用する機種にて確認することが必要です。
* 着色されている部分は、その光源に対して標準となる設定項目です。
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5500K の光源下で撮影 |
3000K | 5500K | 7500K | AUTO |
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(電球) | (晴天) | (晴天の日陰) | (AUTO) |
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(撮影は 5500K の設定で行う) |
3200K の光源下で撮影 |
3000K | 5500K | 7500K | AUTO |
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(電球) | (晴天) | (晴天の日陰) | (AUTO) |
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( 3200K の設定がない場合、撮影は光源に一番近い値 3000K で設定) |
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WB (ホワイトバランス)は設定できる種類の違いこそあれ、コンパクト、一眼レフを問わずほとんどの機種に装備されておりますが、光源として写真用レフランプを使用する場合には、デイライト(5500K〜5900K)とタングステン(3100K〜3200K)の2種類にカメラが対応できるか確認が必要です。
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