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■ 画像サイズと解像度の関係
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デジタルカメラで撮影した画像をパソコンのディスプレイに出力して見る場合には、解像度については何も考えなくても良いのですが、ある利用目的に応じて出力しようとした時に、どうしても考えなければならないのが画像サイズと解像度です。
利用目的として、プリント(写真)、印刷(自宅での印刷、ポスター、書籍)、規定データ(魚類写真資料データベース)などがありますが、それぞれで求められる画像サイズと解像度は異なっています。
入力(撮影)〜出力(印刷)までの画像サイズと解像度の流れをみてみましょう。
ここでいう画像とは、一般的な JPEG 形式(○○.jpg)の画像のことです。 |
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◇ 画像の最小単位はピクセル
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画像は膨大なピクセル(pixcl : 画素)というデータで構成されています。(下図参照)
200万画素のデジタルカメラでは一般的に、横:1600pixcl × 縦:1200pixcl が並んでいます。
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◇ ピクセルの密度を表す解像度
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解像度は、出力時に1インチ(inch)に収められるピクセルの密度を決めるもので、印刷などでの出来上がりの画像のきめ細かさや画像サイズに大きく影響をあたえます。表し方は ○○pixcl/inch です。
プリンターで印刷する場合を例にとって解像度の実際をみてみましょう。(下図参照)画像ソフトで印刷する画像を開き、解像度の設定のみを変更して印刷を行います。
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出来上がりの画像サイズは計算によっても求められます。横サイズの計算例を下記に示しておきます。
上の式からもおわかりのように、解像度を大きくする(ピクセルの密度を上げる)ほど印刷は緻密になりますが、サイズは小さくなっていきます。
上の例で用いた解像度の値 200pixcl/inch はプリンターで印刷する場合の一般的な数値です。
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一般的な数値 200pixcl/inch とは、黒く塗りつぶした1ピクセルを階段状に並べて印刷した結果では、普通に見ているだけでは気が付かないのですが、目を近づけてよく見ると階段状になっているのが判ります。(右図左)
しかし実際の撮影画像では、接し合うピクセル間には中間色という存在があるために、もっと滑らかに見えます。(右図右)
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◇ 撮影のサイズを考える
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撮影するときに、動いている魚をバランスよく画面に収めるのは難しく、撮影後に必要に応じてトリミング(切り抜き)やリサイズ(サイズ変更)を行うことを前提に撮影することになります。(下図参照)
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撮影するときに画面に収める魚の大きさの目安は画面の半分程度、このくらいだと撮影やトリミングが比較的容易になります。あまり小さすぎると細部が不鮮明になります。
出来上がりの画像サイズと解像度を考えてトリミングを行うことを考えると、撮影するときの画像サイズは意外と大きいものになってしまいます。(下表参照)-(数値はきりのよい値で記載)
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出来上がり
画像サイズ |
解像度
( pixcl/inch ) |
トリミング後
画像サイズ |
撮影時(参考)
画像サイズ |
相当の
デジタルカメラ |
14cm×9.5cm
(A4の約1/4) |
200 |
1100×750 |
1600×1200 |
200万画素 |
350 |
1930×1310 |
2300×1730 |
400万画素 |
20cm×14cm
(A4の約1/2) |
200 |
1580×1100 |
2050×1540 |
300万画素 |
350 |
2760×1930 |
3070×2300 |
700万画素 |
28.5cm×20cm
(A4ほぼ前面) |
200 |
2240×1580 |
2590×1940 |
500万画素 |
350 |
3930×2760 |
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印刷に限らず幅広い活用を考えた場合、撮影のサイズはできるだけ大きいほうが望ましいでしょう。 |
◇ 解像度の参考値
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自宅で出力するときには画像の大きさと解像度は自由に決めることができますが、外部にて出力する場合はその出力先に合わせる必要があります。参考に一般的な数値を下表に上げておきます。 |
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主な出力先 |
解像度
( pixcl/inch ) |
出来上がりの
画像サイズ |
必要な画像サイズ
( pixcl ) |
写真屋さん |
300 |
L版
(127mm×89mm) |
1524×1076 |
書籍への掲載 |
350 |
68mm×50mm |
940×690 |
120mm×90mm |
1655×1240 |
魚類写真資料
データベース |
400 |
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640×640
(注:下記参照) |
(注)登録のサイズは 640pixcl×640pixcl です。
640pixcl×480pixcl のような画像でも構いません、その場合は画像を中央配置にして上下(もしくは左右)を白地で均等に空けて下さい。(右図参照)
尚、1辺 640pixcl は守る必要があります。
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◇ JPEG 画像の保存について
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デジタルカメラで撮影された画像の保存には JPEG という圧縮形式と、基本的に無圧縮の TIFF や RAWという形式があります。
TIFF と RAW は容量が大きいために高速な画像処理が要求され、主に専門の分野で扱われています。
JPEG は一般的に広く用いられているもので、カメラの設定を変えないかぎりこの形式で保存されますが、パソコンでの再保存には注意が必要です。
JPEG は保存のさいに人間の目に目立たないように同系色の部分を間引いて圧縮保存します。これは保存の度ごとに行われるため、保存を繰り返すと画質が少しずつ劣化していきます。
また JPEG は圧縮率を任意に変えることができますが、圧縮率を高くして保存するとブロックノイズというものが発生します。(下図参照)これは 8pixcl×8pixcl をひとつの単位(ブロック)として処理をおこなう JPEG 特有の現象です。
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数回の繰り返し保存では目に見えるほどの画質劣化は感じられませんが、圧縮率は画質に大きく影響します。特に細いところ、小さいところの形状が不鮮明になってきます。
JPEG 画像を保存するときには、容量云々よりも、画質の劣化を防ぐ為に圧縮率を最低にすることをおすすめします。ソフトによっては表現が少し違うかもしれませんが
例えば、圧縮率について〔 高--中--低 〕とあったら、「低」に、
或いは、画質について〔 高--中--低 〕とあったら、「高」にする。ということです。
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■ 経験から言えること
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気まぐれな魚のベストショットは2度と撮れないし、いつ撮れるかも判らない。そのときのためにデジタルカメラの設定は、画像は最大サイズ(例えば、SHQ や Large 、ファインなど)、画質は最高(例えば、○○Fine や Fine など)にしておくことで後悔しなくてすむ。
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「明日撮ろう・・」は止める。自然の中で育まれてきた色彩や模様が、水槽に入れて1日も経つとガラリと変わってしまう種類もいる。記録のベストショットを逃がしてしまうことになる。 |
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